2021.04.05
動画広告3種類の説明と特徴!視聴ユーザー心理もあわせて解説
ネット上の動画広告には現在、主に3種類が展開されています。
それぞれ特徴があり、視聴ユーザーに与える心理的影響も異なります。
動画広告に関心がありつつも未導入なままである企業経営者や広告担当者に向け、導入検討に役立つよう、動画広告の種類と特徴、視聴ユーザー心理を解説します。
<引用元:Yahoo! JAPAN マーケティングソリューション>
Web動画広告は、主に3種類に区別されています。
上の図を見ると、日常のWebサイト閲覧時に表示されている光景を思い出して「ああ!あそこに表示される広告のことか」と思えるのではないでしょうか?
広告の種類名は知らなくても、ネットの利用・Webサイトの閲覧を行う人にとっては、馴染み深いものであることがわかります。
3種類の動画広告の差は、表示される場所だけではありません。
次は、主な特徴を紹介します。
インストリーム広告とは、動画コンテンツの前後、または中間に挿入されて、一定時間表示される動画広告を指します。
テレビCMと同様に考えてもらえれば理解しやすいでしょう。テレビ番組の始まる前、番組の区切りの間、番組終了後などにCMは流されます。
YouTube等の動画サイトにインストリーム広告は展開されています。
コンテンツ画面に表示されるので、バナー広告等よりも大きくて目立ち、視聴ユーザーの目にとまりやすい仕組みになっています。
インストリーム広告は、表示後から数秒すると、広告の視聴を継続するか・広告をスキップしてコンテンツ閲覧を始めるかを選べる『スキッパブル広告』と、強制的に広告を視聴させる『ノンスキッパブル広告』があります。
強制的に広告を視聴させる方式は、コンテンツを見たいと思っているユーザーにとっては、不満に感じやすいシステムと言えます。
インストリーム広告は、細やかな基礎知識の理解を促すよりも、認知拡大や想起率向上を図る手法が適しています。
商材例としては、スキップまでの数秒でインパクトを与えやすい「ビジュアル性が強い商品」、車やバイク、服やアクセサリー等が向いています。
インバナー広告は、従来のバナー枠(広告の画像を収める規定のスペース)に配信される動画広告で、「インディスプレイ広告」とも呼ばれます。
マーケティング業界では、従来から扱われている一般的な動画広告、という認識が持たれています。
DSP(Demand-Side Platform、広告配信サービス)によって、ターゲットを絞って配信できるので、費用対効果が良いという特徴があります。
また、例えば「インバナー広告にマウスポインタを重ねると(オンマウス時)、動画が拡大されて(エキスパンド表示)ユーザーにわかりやすく主張できる」といった仕掛けを持たせることが可能です。
ユーザーの反感を防ぐため、近年ではデフォルトで音声がOFFに設定されているものが主流です。
しかし逆に、サイト内に溶け込みすぎて、気づかれにくくなったという意見もあります。
インバナー広告は、商材そのものよりも「どのようなサイトの、どの位置で配信されるか」によって左右される傾向があります。
幅広い業種で活用しやすい動画広告のフォーマットです。
インリード広告は、インストリーム広告とインバナー広告を含めた3種類の中で、一番新しいフォーマットです。
サイトコンテンツの途中に表示される広告に「インフィード広告」というものがあります。
コンテンツ内に馴染むことで、ユーザーのストレスになりにくく、気軽にクリックされる可能性が上がる要素もあります。ニュース系サイトによく使用されています。
インフィード広告の中で、「動画広告」のものが、インリード広告です。
コンテンツを「読んで(リード)」いくと、動画広告が表示されて、自動再生される流れです。
インリード広告は、ユーザーの読み進め方(スクロール)に併せて表示されるので、動画の最初からユーザーに見てもらえることが特徴です。
ストーリー性がある内容の広告と相性が良いと言えます。
インリード広告は、インストリーム広告と比べて、ユーザーにストレスを与える要素や途中で離脱される恐れが低く、宣伝されている商材に関心を持ったユーザーがクリックをしてきます。
インバナー広告同様、多様な職種や商材に向いています。
上記の3種類とは異なり、番外という形で、インタースティシャル広告を紹介しましょう。
ユーザー心理を学ぶという点で、知っておくと良いからです。
インタースティシャル広告は、コンテンツが表示される前に、もしくはコンテンツが表示されるタイミングで、独立した広告専用ページが全面表示されたり、ポップアップで強制表示される特徴があります。
ニュース系サイトやスマホアプリのゲーム内に使用されるケースがあります。
例えば、アプリゲームを操作中、一定のポイントまでゲームが進むと強制的に全画面が広告となり、最後まで見終わらないと消せない、といった具合です。
ユーザー視点だと、コンテンツへのアプローチを阻害されるので、ストレスや不満になりやすいといった傾向があります。
フリーのアプリゲームを遊ばれたことがある人は、経験があるかもしれません。
使いどころを誤ると、広告主である企業や、紹介された商品へのマイナスイメージにつながる恐れがあるので、注意が必要です。
<引用元:株式会社サイバーエージェント>
上のグラフは、2017年11月に株式会社サイバーエージェントが発表した、動画広告の種類別の市場規模推計を表したものです。
2016年はインストリーム動画広告が主流でしたが、2017年からインフィード広告(インリードを含む)が伸びています。
以後は、インストリーム広告とインフィード広告が2大巨頭として躍進していくと予想されています。
現在は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末からのネットアクセスが主流ですが、今後はメガネ型のウェアラブルデバイス(体に身につけるデジタル機器)が普及すれば、動画広告市場はさらなる成長が期待されます。
動画広告をどのように展開するか、「使用率が伸びている動画広告を使えば間違いないだろう」という考え方は適切ではありません。
といったバランスを考慮する必要があります。
動画制作を依頼する会社や、広告展開を任せる広告代理店の担当者を交えて、情報を共有して戦略を練ることで、より効果的な動画マーケティングが成立します。
次は、一例を交えながら、動画広告の展開方法をご紹介します。
例えば、YouTubeでは、ユーザーに無料で動画を楽しんでもらう代わりに、最初の5秒間だけはスキップさせずに広告動画を観てもらう、というパターンがあります。
コンテンツ閲覧が目的のユーザーにとっては、広告は邪魔な存在になっているかもしれません。
したがって、5秒が過ぎてスキップが可能になると、ユーザーは広告を最後まで見ることなくスキップします。
コストをかけて15秒の動画広告を制作しても、残りの10秒は見られることなく消されてしまうわけです。
しかし、見られないリスクへの対策として「5秒動画」という手法があります。
「5秒動画」とは文字通り、5秒間の映像となるように作った広告動画を指します。
5秒動画については、株式会社クロスメディア・パブリッシングから発行されている『「5秒で伝え、共感させる」YouTube広告術』(著:徳山亨・野村勇樹)を参考として、内容を以下に要約します。
5秒動画をメイン・コアにして、リターゲティングやリスティング広告システムと組合せます。
それぞれの相乗効果を狙って、申込みや商品購入といった「成果獲得」につながる道筋を作るのが、5秒動画というモデルのポイントです。
5秒動画にはいくつかの秀作が知られていますが、今回はアウディの5秒動画を紹介します。
アウディ(Audi)は、フォルクスワーゲングループに属するドイツの自動車メーカーです。
アウディは新型R8の立ち上げ時、YouTubeのインストリーム動画広告を使用してプロモーションを行いました。
R8は加速性能が優れたスポーツカーで、停車状態から時速100㎞に達するまでわずか3.5秒、という高性能車です。
アウディは、停車状態から時速100㎞に達するまでの「3.5秒」を利用して、YouTubeの5秒しばりを逆手に取りました。
実際の動画広告では、最初の3.5秒で時速100㎞への加速映像として、残りの1.5秒で商品名と企業名の表示に使いました。
5秒動画という尺の短さが、商品の高性能さを際立てる結果となったのです。
低コストの5秒動画で、アウディはいくつもの利益を獲得したわけです。
企業経営者や広告担当者に向け、動画広告の主な3種類、「インストリーム広告」「インバナー広告」「インリード広告」の特徴を解説しました。
また、動画広告の制約を逆手に取った、5秒動画というモデルと活用例もご紹介しました。
ぜひ、ご自身の会社で動画広告を導入検討する際に役立ててみてください。
不明な事柄があれば、私ども動画制作会社 DOGABRAINSにまでお気軽にお問い合わせください。
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