2021.04.23
動画広告視聴者の性別・年代別の傾向や注意点を紹介
動画広告を活用するならば、ユーザーの性別・年代別の視聴傾向を把握しておかないと、マーケティングとして非効率であり、時としてマイナス効果を生んでしまう恐れがあります。
商品やサービスの販売促進に動画広告を取り入れたい経営者や担当者に向け、ユーザーの傾向や注意点を紹介します。
株式会社ジャストシステムが、2019年2月21日に公表した調査レポートでは、『動画広告の視聴状況について』で性別・年代別での視聴割合が確認できます。
(調査期間 : 2019年1月22日(火)~2019年1月29日(火)/ 有効回答数: 1,100 )
アンケートで「動画広告を自らの意思で一定時間視聴した」と答えた人は、全体の27.7%。うち、男性が29.2%、女性が26.1%となっており、男女差に極端な差は見られません。
しかし、年代別で見ると、視聴傾向に差が表れます。
10代・20代の若年層と60代のシニア層で、動画広告の視聴が30%越えとなっています。
一概にはまとめられませんが、上記の年代が動画広告の視聴に時間を使えるのは、労働や家庭に当てる時間が、他の年代よりも少ないからという仮説も立てられます。
<引用元:株式会社ジャストシステム マーケティングリサーチキャンプ>
次の表では、同調査で「動画広告を視聴したプラットフォーム」がまとめられています。
男女ともに最大数のプラットフォームはYouTubeであり、男性で84.0%、女性で68.1%となっています。
年代別でもYouTubeはトップとなっており、広告主となる企業にとっては、YouTubeへの広告配信はひとつのスタンダードと考えて支障ありません。
ただし、10代・20代の若年層に向けての商品やサービスを展開する企業は、主要SNSのデータも無視できません。
特に10代では、
となっており、
20代でも、
となっています。
10代・20代欄の、Facebookが一桁台であることを考慮すると、世界的な主要SNSでも、使用傾向に差が出ることが明白です。
ターゲットの年代に応じて、動画広告の配信メディアを吟味する必要があることがわかります。
<引用元:株式会社サイバーエージェント関連_株式会社CyberBull調査>
企業にとっては、おおまかな「年代別の動画広告の視聴割合」だけでなく、「配信した動画広告が、どれほど最後まで視聴されているのか」も重要です。配信コストや、動画広告のコンテンツ改善に関わるためです。
上の表は、株式会社サイバーエージェントの子会社である、株式会社CyberBullによる「スマートフォン上で動画広告を最後まで視聴した経験」のアンケート調査結果です。
「動画広告を最後まで視聴した人」は、全体の51%と、ほぼ半数です。
性別・年代別での調査結果では、より明確な差が出ています。
動画広告を最後まで視聴した経験がある人は、
となっています。
完全視聴の割合でも、10代・20代の男女が過半数を超え、目立っていることがわかります。
<引用元:株式会社サイバーエージェント関連 株式会社CyberBull調査>
上の2つの表は、「動画広告を完全視聴した理由」と「動画広告を完全視聴しなかった理由」のアンケート調査結果です。
完全視聴をした理由でもっとも多い回答は「動画の時間が短かったから」40.3%です。
広告スキップが可能になる5秒までに完結する、5秒動画広告も含まれるでしょう。
次に多い理由である「興味・関心のある商品・サービスだったから」40.1%と、「内容が面白かったから」37.7%を含めて考慮すると、「動画広告は、コンパクトな長さ・ユーザーの関心を引くコンテンツ」が必要であることが読み取れます。
逆に、完全視聴をしなかった理由でもっとも多い回答は「興味・関心のない商品・サービスだから」22.8%であり、「広告の時間が長いから」16.4%は3位となっています。
ユーザーが「広告を見ない」という選択をするには、「動画の長さ」よりも「興味の有無」が重視されているのが特徴です。
つまり、「ただ単に、動画広告を制作して配信する」だけでは不足で、広告コンテンツという『質』が求められるわけです。
<引用元:株式会社ジャストシステム マーケティングリサーチキャンプ>
バナー広告(静止画の広告)と動画広告を比較し、不快感についてアンケートをとったものです。
全体像として、「『動画広告』に比べ『バナー広告』の方がより不快に感じた」が10.9%に対し、「『バナー広告』に比べ『動画広告』の方が不快に感じた」が18.7%と、多勢となっています。
また、「『動画広告』も『バナー広告』も同じくらい不快に感じた」ユーザーを年代別で見ますと、
となっており、どの年代でも30%前後のユーザーが、動画広告にもバナー広告にも不快に感じると答えています。
動画広告は、ユーザーが利用しようとしている動画コンテンツの前に存在しているため、マイナスイメージを持たれやすい、という観点もあります。
だからこそ、動画広告を活用するには、ユーザーを意識した内容を構築しなければいけません。
しかし、「ユーザーを意識した内容」とは、どのように考えれば良いのでしょうか?
イギリスの、動画プラットフォーム事業を展開する企業アンルーリー(Unruly)は、『動画広告の将来に関するマニフェスト』を発表しています。
<引用元:アンルーリー『動画広告の将来に関するマニフェスト』>
アンルーリーが提示したマニフェストは、シンプルながらも、企業のブランディングからユーザーに寄り添い好まれるための動画広告の指針として役立ちます。
以上のような要点は企業によってさまざまで、「このような動画広告さえ制作すれば間違いない」という画一的な正解は存在しません。
だからこそ、動画広告を活用するために、企業内での情報洗練と、動画制作会社との共有・コミュニケーションを繰り返していく必要があります。
年代別における動画広告の制作一例として、衣料品メーカーの動画広告について紹介します。
このメーカーでは、主にスポーツウェアの製造を行っており、ターゲットは10代の男女を設定しています。
個々のスポーツウェアの紹介よりも、まずは企業の認知度、ブランディングを目的とした動画広告を制作し、YouTubeで配信する計画が挙がりました。
しかし、当記事にもありますとおり、10代ユーザーに対しては、興味・関心を惹けなければ不快感へとつながり、企業・商品イメージのマイナスにつながるリスクがあります。
そこで、このメーカーでは動画配信サイトで活躍している、10代に有名なダンサーを起用し、15秒・30秒サイズでの動画広告を展開しました。
狙いとしては、
といった点が挙げられます。
スポーツウェアのメーカーによる動画広告は、表示回数・視聴回数・視聴率で好成績を出すことに成功しました。
配信1か月後には、表示回数は約1.5倍、視聴回数は約3倍、視聴率は約2倍の数値が出ました。
さらに、もう1か月後には、表示回数は初月の約2倍、視聴回数は初月の約5倍、視聴率は約3倍の成績となりました。
ただし、3か月目以降からは、各数値は横這い状態となり、新規動画広告の作成が必要かと検討が始まりました。
動画広告は、一度制作すれば完了、というものではなく、ユーザー反応や時期などに応じて改善が必要となります。
事例のスポーツウェアメーカーでは、動画広告が口コミで広まったという反響もあり、市場での企業認知度が上昇し、新規動画広告に積極的な動きを見せています。
年代別の動画広告を制作しようとしている流れの中では、なかなか客観的な視点を設けることは困難です。
「ユーザーに、どのように好まれるか」よりも「ユーザーに、どのように見せるか」が優先されてしまうことも珍しくありません。
弊社DOGABRAINSでは、動画制作だけでなく、内容精査のご相談・お問い合わせも受け付けております。
ターゲットの年代別傾向を理解し、成果につながる動画広告のコンテンツを一緒に作りあげていきましょう。
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