2021.09.12
HowTo(ハウツー)動画の活用!ユーザーの「知りたい」に応える
現代のユーザーにとって、商品やサービスの使用方法やコツを知りたくて、HowTo(ハウツー)動画を検索することはありふれた行為です。
しかし、販売する側にとっては「熟知した商品やサービス」であるため、ユーザーが「何がわからないのか」が把握できず、ユーザーニーズに応えられないで不満を与えてしまうケースもあります。
今回は、ユーザーの「知りたい」に応えられる、HowTo動画のポイントや活用法を紹介します。
HowTo動画は、商品やサービスの使用法やコツを伝えるためのコンテンツです。
ユーザーがHowTo動画を検索するのは、
おおまかに、上記の2パターンになります。
つまり、HowTo動画は、購入を検討しているユーザーには「販売促進のための動画」として機能し、購入後のユーザーには「アフターフォローの動画」として機能します。
どちらもユーザーに安心感を与える働きがあります。
HowTo動画が充実しているメーカーや販売企業には「使用者のことをよく考えている会社だ」という印象をユーザーに抱かせるので、リピーターの確保や、ブランディングの向上につながるというメリットもあります。
しかし、ユーザーニーズに応えていないHowTo動画は、逆にユーザーへ不満を与えてしまい、商品やサービス、企業自体にマイナスイメージを抱かせる恐れがあります。
不満を与えてしまう場合は、
が考えられます。
これらが生じる原因は、ユーザーと、メーカーや販売企業の視点が異なるためです。
メーカーや販売企業にとっては、商品やサービスは熟知した物ですので、「使用法がわからない人の気持ちが想像できていない」といったことが起こりえます。
例えば、実際に何かのHowTo動画を検索してみてください。
企業側が製作したHowTo動画もありますが、一般ユーザーが撮影したコンテンツも多く見つかるでしょう。
一般ユーザーだからこそ、ユーザー側の視点である「知りたいポイント」や心境の理解が深く、より良いコンテンツが作られるケースもあります。
企業側が、せっかくHowTo動画を用意するならば、ユーザー視点に立って細やかなニーズに応えられるよう配慮しなければいけません。
HowTo動画のメリットを活かすためには、制作する際に4つのポイントを押さえておきましょう。
ポイントを確認してまとめておくと、動画の企画立上げから制作までブレが起きにくくなりますし、動画制作会社へ依頼する場合でも進行や共有がスムーズになります。
HowTo動画におけるユーザーニーズの把握とは、「ユーザーが、何を知りたいのか? 何がわからないのか?」を理解し、コンテンツに収めることです。
ユーザーの視点に立つ、という表現にもなります。
例えば、機械製品や家具だと、操作方法や組み立て方、メンテナンスの手法がHowTo動画に求められます。
食材ならば、調理法やアレンジが当てはまります。
パソコンやスマートフォンの、ツールやアプリの使用法や設定手順を調べたことがある人は少なくないでしょう。
ユーザーニーズは常にリサーチする必要があります。
電話やメールといった「ユーザーからの直接的な問い合わせ」はもちろん、アンケート収集や『Yahoo知恵袋』のようなQ&Aサイトでの調査も、リサーチには有用です。
わかりにくいHowTo動画は、ユーザーにとって何の価値もありません。
ユーザーに不快感を与えてしまい、口コミなどで悪評が広がってしまう恐れも想定するべきでしょう。
「どのポイントをわかりやすくすれば、ユーザーは満足してくれるのか」という点は、リサーチを重ねていくことで明確になります。
動画内にテロップを出したり、図やアニメーションを併用したりすることも役立ちます。
また、商品やサービスのターゲット層に適した方法も考慮しましょう。
例えば、「男性なのか女性なのか」「若いのか年配なのか」でも伝え方は変わります。
10代の学生をターゲットにする場合と、60代のシニア層をターゲットにする場合では、動画内で使用する言葉やテンポに違いがあって当然です。
HowTo動画を求めるユーザー心理は、「知りたいことだけ、知りたい」という状態です。
ピンポイントで知りたいことがわかるように、「1本の長い動画にすべてをまとめる」というやり方ではなく、ポイントを細分化して、短い尺の動画を複数用意するのが良いでしょう。
例えば、『10歳くらいの子ども向けの自転車』が商材だとしましょう。
子ども自身が動画検索をする可能性もゼロではありませんが、購入への最終決定権は保護者にあると想定できますので、ターゲット層は『親や祖父母などの、保護者』となります。
など、「ユーザーの知りたいこと」を想像すれば、上記のようにおおまかな分類ができます。
HowTo動画は、必要としているユーザーに提供できてこそ意味があります。
「どこに、どのようなHowTo動画があるのか、わからない」状態では、ユーザーに不親切ですし、せっかくアクセスしようとしてくれているユーザーを逃がしてしまうでしょう。
など、ユーザーの導線を意識するのがコツです。
今回、事例として紹介するのは、アウトドア用品の販売会社です。
この会社では主に、登山・クライミング・キャンプ用品の販売をおこなっていますが、登山やクライミングと比較し、キャンプ用品の売上は伸び悩んでいました。
一般社団法人 日本オートキャンプ協会によると、キャンプブームは1990年代にあり、当時キャンプ人口は約1,580万人がピークで、それ以降は減少傾向にありました。
しかし、2013年以降キャンプブームは再燃の傾向にあります。
これを機会にキャンプ用品販売に注力しようと、ライトユーザー向けの HowTo動画を、Webサイトと店内展示用に制作することになりました。
キャンプ初心者が手間取りやすいポイントを調査し、
などの HowTo動画を展開しましたが、目立った反響は得られませんでした。
検証した結果、先に紹介したキャンプ用品の HowTo動画は、「すでにネット上でありふれたものだから目立たず、反響を得られなかったのではないか」という仮説が立ちました。
現在のキャンプユーザーや、潜在的ユーザーを再度リサーチすると、『ソロキャンプ』という1人でおこなうキャンプスタイルが注目されていることがわかります。
以前のキャンプブーム時では、「大勢で賑やかに過ごす」スタイルが主流でしたが、ソロキャンパーは単独なので、必要な器具は小型なもので充分です。
また、ソロキャンプだからといって「独りの時間」を満喫したいキャンパーばかりというわけではありません。
SNSを使用して写真を共有するのもキャンプの楽しみになっているなど、ネット時代らしいスタイルがあるとわかりました。
ここから、ユーザーニーズの洗い出しがおこなわれます。
新しく準備をした HowTo動画には、
といった内容に加え、「実際に店員がソロキャンプをした様子」を動画にすることで、イメージを持ちやすくして購買意欲を高める戦略で進めました。
ユーザーにとって、「商品を買う」ことは最終目的ではありません。
「商品を買って、もたらされるもの」を欲して、購入するのです。
マーケティングではベネフィットと呼ばれる概念で、「顧客が商品やサービスから得られる良い効果」を指し、これの提示こそが成果獲得に必須とされています。
HowTo動画からユーザーを誘導し、「実際にキャンプをすると、このような時間や風景を楽しめる」といったイメージを提示し、店の公式SNSを設けて「映える写真」を投稿・共有しました。
結果として、実店舗の来客数はさほど変わりませんでしたが、Webサイトへのアクセス数と通販件数が伸び、売上は動画修正前の2倍以上を記録しました。
HowTo動画自体は、以前からある手法です。
しかし、ネット環境の発達により、ユーザーにとって「知りたいことは、調べればすぐわかる」が当たり前と認識される時代になり、 HowTo動画のクオリティはより高いものが求められています。
ユーザーニーズを把握し、「知りたい」という欲求に対して的確なコンテンツを作ることが、成果獲得に必要です。
弊社DOGABRAINSでは、「ユーザーの心をつかむ」ための動画制作をおこなっていますので、お気軽にお問い合わせください。
制作実績ページもありますので、参考にあわせてご覧ください。
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